食事誘導性体熱産生(DIT)について

食事誘導性体熱産生(DIT)とは

食べたときに消費するエネルギー

さて、ダイエットを志すのであれば、まずは基礎代謝について知るべきでしょう。
そして、基礎知識としてもうひとつ覚えていただきたいのが「食事誘導性熱産生」です。DITと呼ばれることもあります。
DITは "Diet Induced Thermogenesis" の略称です。

人が消費するエネルギーは、大きく分けて3つ。
基礎代謝」「生活活動代謝」「食事誘導性熱産生」です。
基礎代謝はたとえ寝ていても消費する、呼吸や内臓などをはじめとした生命維持のためのエネルギー。
生活活動代謝は、歩いたり仕事をしたり、はたまたジョギングや水泳などスポーツ・エクササイズなど、活動して消費するエネルギー。
そして食事誘導性熱産生は、食事をするときに消費するエネルギーで、DITと呼ばれます。
1日に消費するエネルギーの割合は、基礎代謝が7割、生活活動代謝が2割、食事誘導性熱産生(DIT)は1割となっています。

別に辛くない食事をしているときに汗が出ることがあるのは、このDITによるものです。
食事をすると、消化などのために内臓が活発に活動します。このような理由で消費するエネルギーが「食事誘導性熱産生(DIT)」です。

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食事のとり方で変わる食事誘導性熱産生(DIT)

食事をとることで消費されるエネルギー「食事誘導性熱産生(DIT)」は、実は食事のとり方によって、その代謝量を高くすることができるのです。

まずは、「よく噛んで食べること」。
昔から「よく噛んで食べなさい」というのは親のよく言う小言のひとつですが、これは実に大切なことなのです。
しっかりと十分な回数を噛んで食べると、それが交感神経を刺激し、エネルギー消費を高めます。またよく噛むと、ヒスタミンというホルモンが分泌され、それが満腹中枢を刺激して食欲を抑えてくれるのです。
しかも、噛む回数を増やすと、すぐに飲み込む食事よりも必然的に時間がかかります。早食いをすると、実際には満腹になる量を食べても、脳の満腹中枢がそれを認識するまでの間に、食べ過ぎることがよくあるのです。
ゆっくりとした食事をすれば、そのような無駄な大食いを避けることもできます。

また、食べたものは消化されて、エネルギーとして利用されるわけですが、食べた食料中の栄養素によって、エネルギーとして消費される量が異なります。
たんぱく質:30%、糖質:5%、脂質:4%、炭水化物:10% このようにエネルギーとして消費され方にかなり違いがあります。

これを見ても分かるとおり、一番多くエネルギー消費するのが「たんぱく質」です。
つまり、エネルギーの消費だけで見ると「たんぱく質」を多めに食べると、エネルギーを消費しやすいといえます。もちろんあまりバランスの悪い食事はよくないので極端な偏りはやめましょう。
たんぱく質を多く含んでいる食物は、魚、肉、卵、チーズ、大豆、大豆製品、などです。

食事誘導性熱産生(DIT)を高める方法

性別で基礎代謝量は異なります。

ダイエットというと、ウォーキングやジョギング、筋トレでやせよう、という人が多いですが、実は運動でカロリーを消費することだけで痩せるのは簡単ではありません。
かなりの運動をしても、思ったほどカロリーを消費できないからです。
効果的なのは、運動により筋肉をつけて基礎代謝を上げることです。基礎代謝が上がると普段の生活の中でダイエットしていることと同じです。しかも筋肉をつけると、同じ運動量でも消費カロリーが上がり、ますます好循環になります。

さて、運動はちょっと・・・という方は多いと思います。実は食事誘導性熱産生(DIT)を高めると、ちょっとした運動よりもラクチンにエネルギーを消費することも可能です。
まずはメニューを選ぶ際、冷たい食べ物よりも温かい食べ物を選んでください。ざるそばよりかけそばです。
また、香辛料で適度に辛くしても良いです。これらで体を温めると、血行がよくなり、食事誘導性熱産生(DIT)も上がります。

また、食事の時間帯によっても食事誘導性熱産生(DIT)が変化します。
一番多くこのエネルギーが消費されるのが朝。
続いて昼。時間の経過とともに消費する食事誘導性熱産生(DIT)は低下し、深夜には最低になります。
夜食が太りやすいのはこのせいでもあります。
朝食をしっかりと多くとっても、食事誘導性熱産生(DIT)が一番効率よく消費されるので、実は夜よりも朝しっかりとした食事を取った方が、ダイエットのためには良いのです。

緑茶やコーヒーに含まれるカフェインにも食事誘導性熱産生(DIT)を高める効果があります。
ただしダイエットには「水を多く飲む」という手法もあり、これを実践しているときにコーヒーを飲みすぎると、利尿効果でせっかく飲んだ水がすぐ尿として排出されてしまいますので、しっかりと基礎知識を身につけ、ダイエットのやり方に矛盾がないように気をつけましょう。

さらに、同じ運動をするなら、食事の20分〜30分前に軽く運動をすると、食べるときの食事誘導性熱産生(DIT)が高まります。
運動といっても、軽くストレッチをしたり、ちょっと遠目のお店まで歩いてみたり、という程度で十分です。

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食事誘導性熱産生(DIT)まとめ

さて、食事誘導性熱産生(DIT)について色々とご紹介してきましたが、おさらいとしてまとめてみましょう。

食事誘導性熱産生(DIT)とは

  • 食事をすることで消費するエネルギー
  • 基礎代謝、生活活動代謝に続く大きなエネルギー
  • 消費量は朝が最高で深夜が最低


食事誘導性熱産生(DIT)を高めるには

  • よく噛んで食べる
  • たんぱく質を多めに食べる
  • 冷たいものよりも熱いものを食べる
  • 香辛料の効いた食べ物を食べる
  • 朝は多めに食べても大丈夫。夜は少なめに
  • 食事の20分〜30分前に軽く運動をする
  • たんぱく質を多めに食べる
  • 緑茶やコーヒーなどでカフェインを取る

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