3大栄養素について

3大栄養素とは

すべての食べ物は、何らかの栄養素を持っています

3大栄養素とは人間が生きていく上で必要となる「たんぱく質」「炭水化物(糖質)」「脂質」という3つの重要な栄養素のことです。おそらくその3つの名前くらいは聞いたことがあるでしょう。

栄養素にはこの3つ以外にも様々なものがあるのですが、この3つは「3大」と言われるほど、重要な役割を担っているのです。ビタミンとミネラルを加えて「5大栄養素」と呼ぶこともあります。

「痩せたい」「筋肉をつけたい」「脂肪を落としたい」などという願望を具体的に実現しようと思ったとき、この3つの栄養素の特徴を知っておいた方が、成功率は高いでしょう。

また、バランスの取れた食事の計画や、カロリー制限をする際にも、この3大栄養素の知識をもって望んだ方が、より良い計画を練ることができるでしょう。

では、その3つの重要な栄養素について、1つずつ詳しく見ていくことにします。

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たんぱく質

人間の体の60パーセントは水(水分)でできている。というのは有名な話ですよね。 一般に、たんぱく質は人体を構成する物質の内、15〜20パーセントを占めているといいます。

つまり人間の体は、水分を除けばほとんどがたんぱく質でできているといえるのです。 筋肉や皮膚、内臓、毛髪、赤血球など、人間の体の、コアな部分はほとんどたんぱく質で作られています。もっといえば細胞そのものの主成分でもあります。

このように、たんぱく質は本来、体を構成する物質になるのですが、体を活動させるエネルギーとして使うこともできます。本当であればエネルギーとして使うならば、次に説明する「炭水化物(糖質)」の方が適していますが、糖質が不足している場合などはたんぱく質を分解してエネルギーに変換することも可能なのです。(糖質に比べて効率は悪いですが) これは脂質についても同じで、よく「運動をして脂肪を燃やす」という言い回しをしますので、脂肪がエネルギーに変換されるのは、誰でも知っているようなことですが、たんぱく質もエネルギーに変換されるという事は、意外と意識されていない方も多いようです。たんぱく質1gで4kcalのエネルギーになります。

糖質が不足をすると、脂質やたんぱく質がエネルギーに変換されるのですが、これが何を意味しているかというと、食事を我慢して(糖質を取らず)、さらにロクに運動もせず、というようなダイエットをしている場合、脂肪も落ちていくかもしれませんが、その影に隠れるように筋肉もエネルギーに変換されているのです。つまり痩せるかもしれませんが、筋肉量も落ちている。イコール太りやすい体質になっていく。ということなのです。もっと分かりやすく言うと、一時的に痩せたとしてもリバウンドする可能性がかなり高いダイエットだということです。

ダイエットには適度な運動も必要というのは、何も運動のカロリー消費でやせようという目的ばかりではなく、少しでも筋肉量を維持・向上して太りにくい体を作る意味もあるのです。

たんぱく質の1日の必要摂取量は、体重1kgにつき1g〜1.2gのたんぱく質だと言われています。50kgの人で大体50〜60g、70kgの人で70〜86gのたんぱく質が必要だということです。 vたんぱく質は、摂りすぎると糖質や脂肪として蓄積されますので気をつけましょう。 肉や魚から取る「動物性たんぱく質」と、ご飯やイモ類などから取る「植物性たんぱく質」がありますが、動物性たんぱく質にはプリン体が多く含まれていて、摂りすぎると痛風の元になりますので、注意が必要です。痛風の他にも高脂血症の元にもなりますので、動物性たんぱく質の取りすぎには注意しましょう。

また、たんぱく質は抵抗力をつけるための抗体の原料にもなっていますので、たんぱく質が不足すると、体力・免疫力の低下につながります。 このように、たんぱく質は取りすぎても不足しても良くないので、バランス良く摂るように心がけたいものです。

炭水化物(糖質)

脂肪を溜め込まないための基礎知識。

炭水化物(糖質)は人間が活動をする上で、もっとも重要なエネルギー源だと言えます。 ガソリン車が動くためには、必ずガソリンが必要なように、人間も活動するためにはその元となるエネルギーが必要です。 炭水化物を食べると、消化され、小腸から吸収されます。最終的にはブドウ糖となり血液によって、色々な細胞に運搬されて、そこでエネルギーとして利用されます。

脂質やたんぱく質もエネルギーとして利用できるのですが、炭水化物(糖質)が一番素早く・効率的にエネルギーになります。そのため、運動などをし始めたときには、まず血液中の糖質がエネルギーとして消費されます。

また、脳や中枢神経はブドウ糖以外から活動をするためのエネルギー源を補給することはできないのですが、そのブドウ糖は炭水化物からしか作られることはありません。 つまり、炭水化物の摂取は脳や中枢神経の活動に必要不可欠というわけです。 ちなみに脳は1日に144gのブドウ糖を必要としているといいます。もちろん思考活動をしている間は、多くのブドウ糖が消費されますので、脳がブドウ糖の補給を欲している場合があります。

食事をしない、つまり炭水化物の摂取をしないままでいると、人間の体はまず肝臓のグリコーゲンをブドウ糖に分解して、不足分を補います。しかしそれもせいぜい10時間程度で底をつき、そうなると次は筋肉などのたんぱく質や、脂肪が分解され始めます。脂肪の分解はダイエットにとって望ましいことですが、筋肉のそれはダイエットにとって敵ともいえます。つまり、食事をしないだけのダイエットは筋肉の観点から見るとあまり良い方法とはいえないのです。

また炭水化物(糖質)も取りすぎると脂肪として蓄積されてしまいますので、摂取のし過ぎには気をつけましょう。

炭水化物は、ご飯・パン・麺などの主食と呼ばれる食べ物のほか、芋類や果物などにも含まれます。

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脂質

脂質はエネルギーの貯蔵庫とでもいうべき栄養素です。 炭水化物(糖質)やたんぱく質は分解されると1gあたり4kcalのエネルギー源になりますが、脂質はなんとその倍以上で、1gあたり9kcalものエネルギー源になるのです。

脂質というと脂肪を思い出し、ダイエットにとっては忌み嫌う存在に思いがちですが、実は脂質は体にとってなくてはならない存在なのです。 たとえば脂質はエネルギー源になるだけでなく、細胞膜の主成分にもなります。脂肪分が不足していると、お肌はカサカサになってしまうでしょう。 神経組織やホルモンの構成要素でもあり、また免疫にも関わっていてますので、不足すると血管が弱くなったり、病気に対する抵抗力も低下してしまいます。 そういう意味で、脂質は1日に最低でも20gは必要と言われています。

ただし、脂質を取りすぎると、ご想像の通り太ります。 かつて人類の歴史は食糧難の連続でした。 狩りに失敗すれば食べるものはなく、日照りで農作物が不作だと、その年はずっと食うや食わずといった状態が続くような食生活が普通だったのです。 それが、現代のような飽食の時代になってしまったのですが、その飽食の歴史はまだせいぜい100年かそこらなのです。そして人間の体は、また来るかもしれない食糧難に備えるという機能が働き続けています。

食糧難の時代であれば脂肪は「大切なエネルギー源の貯蔵庫」というべき存在だったですが、現代のように食べ過ぎることが当たり前の世界では、むしろ脂肪がたまりすぎることが問題になっています。

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