運動とダイエットの関係

運動すると何が良いのか

適度な運動で体を引き締めましょう

ダイエットをするなら適度に運動をした方が良いことは、もちろん誰でも知っていることだと思います。
では、なぜ運動をすると良いのでしょう?

第一の理由として、思いつくのが「カロリーを消費する」ではないでしょうか。

しかし、運動によって消費するカロリーは、人間が1日の内で消費するカロリーの、ごく一部分なのです。

脂肪1キログラムを減らすためには7〜9000Kcalのカロリー消費が必要なのですが、体重が50キロの人がジョギングを1時間行っても、約500Kcal程度のカロリー消費ですので、毎日1時間ジョギングをしても2週間〜20日くらいかかってやっと1キログラムの脂肪を落とすことになります。

1日1時間ジョギングというのは、なかなか大変ですので、感覚的には3日も走れば1キログラムぐらい減りそうな気がしませんか?
運動のカロリー消費だけで痩せるのは、結構大変なことなのです。

運動がダイエットに良いとされる第二の理由は「筋肉が付く」ことです。
筋肉は、それがあるだけで常にカロリーを消費します。言い換えると「基礎代謝が上がる」ということです。
つまり筋肉が付けば付くほど「太りにくい体」になるのです。

筋肉を付けるといっても、マッチョになるという訳ではありません。いえ、別になってもいいのですが。
ただ体を引き締める意味で筋肉を鍛える、という程度でも十分なのです。

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運動をせずにダイエットすると「隠れ肥満」になりやすい

現在、体重的には太っていない人でも、筋肉量が少なく、脂肪が多い、といういわゆる「隠れ肥満」の人が増えているといいます。
特に女性にこの傾向が多いようです。

隠れ肥満は、「太っている」という自覚がありませんし、もちろん他人から見ても痩せていると認識されるため、改善するきっかけがなかなかないものです。
しかし、健康面から見ると隠れ肥満は、非常に危険な状態で、特に生活習慣病に注意する必要があります。
見た目がかなり太っていれば、糖尿病や高脂血症などになりやすいという意見は誰でも納得いくでしょうが、実は隠れ肥満の人も同じような状態にあるのです。
こういう人は、運動をして脂肪を減らすと同時に筋肉をつける必要があります。

同じ量の脂肪が落ちて、筋肉が付いた場合、実は体重的には増加します。これは筋肉が脂肪より重いからです。
しかし、これは見事にダイエットになっているのです。
ダイエットは「ただ単に体重が落ちれば成功」と捉えるべきではありません。
筋肉をつけずに、ただ単に食事制限をしただけで体重を落としても、ちょっと食べ過ぎるとまたすぐに太ってしまうからです。

やはり、運動をして筋肉をつけ、健康的にダイエットを行うことが理想でしょう。

いつ運動するのが効果的か?

基礎代謝の向上はダイエット成功への近道!

同じ運動をするにしても、できることなら最も効果的な時間帯に行いたいものですね。
1日のうちで、運動をすると1番効果的なタイミングというのはいつなのでしょうか。

人間は、夜眠っているときが一番代謝が下がっています。
当然、朝目覚めたときも代謝が低い状態です。
それから朝食を取ったり、通勤・通学や掃除・洗濯などで体を動かしていくうちに徐々に代謝が上がり始め、日中は代謝が高い状態で過ごします。
そして夕方・夜になるにつれて徐々に代謝は下がり、また眠るときに最低の状態になるのです。

では、運動はいつするのが一番効果的なのでしょう。
一般的に、朝運動することがもっとも効果的だ、といわれています。
朝目覚めた後は交感神経が活発に働く時間帯で、同じ運動でも夜などにくらべると10%程度も多くエネルギーを消費するといわれています。
また通常、朝から昼に向けて徐々に代謝が上がりますが、朝に運動することにより、一気に代謝が高い状態となります。
そうすると、それから日中はほとんどずっと代謝が高い状態を保てます。

逆に徐々に代謝が下がる夜に運動をすると、もちろん運動をしたときは一時的に代謝は上がりますが、すぐに低い状態にもどります。
それに代謝が高い状態では、なかなか眠れませんので、安眠という観点から見ても夜に運動をして代謝を上げるよりは、朝に運動した方が良いでしょう。

要するに自然の摂理に従って行動した方が、何事も効率的だということでしょう。

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運動するダイエット、しないダイエット、その実験

以前、アメリカ・ボストン大学にて興味深い実験が行われました。
運動をするダイエットと、食事制限のみで特に運動を行わないダイエットをグループ分けして8週間行い、その結果を比較してみたのです。

まず、体重が100キロ前後の男性、72人を2つのグループに分けました。
第1のグループは1週間に3日特定の運動をする。
第2のグループはとくに運動は行わない。
どちらのグループも食事は1日1000Kcalの節制した食事とする。

第1のグループが行う運動は、まず20分程度のウォーキングから始まり、最終週には10Km近くジョギングをする、というものです。
また、1日1000Kcalの食事は、それまで大食いしていた男たちにとっては、かなりつらい食事制限といえるでしょう。

さて、8週間にわたるダイエットの気になる結果ですが、以下のようになりました。
第1のグループは平均して11.9キロ減。
第2のグループは平均すると9.2キロ減。
その差は2.7キロ。

体重で見ると、それほど大きな差に思えませんね。
しかし、実際には第2のグループの人たちは、ただ単に脂肪が9キロ近く落ちただけです。
それに比べて第1のグループの人たちは、運動によって脂肪より重い筋肉がついた上で12キロ痩せているわけですから、実際に減った脂肪の量はさらに多いでしょう。
また、ダイエット実験終了後に、リバウンドしやすいのは、間違いなく第2のグループです。第1のグループは筋肉が増えた分、太りにくくなっているからです。
また、運動が習慣になれば、筋肉の維持にもつながりますし、精神的にも良いでしょう。

「運動を始めましょう」というと、つい身構えてしまいますが、ジョギングやウォーキングでなくとも、ちょっとしたストレッチをするとか、通勤時に1駅前で降りて歩いて帰るとか、ちょっとした運動でもやらないよりは全然ましなのです。

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